予想上振れ・見通し据え置き

企業の四半期決算が予想を上回ったものの、将来の業績見通しを引き上げなかったというシナリオ。

決算シーズンにおいて「ビート・バット・ノー・レイズ」シナリオとは、上場企業が四半期売上高と純利益でアナリストのコンセンサス予想を上回ったものの、経営陣が将来の業績見通しを据え置くか、四半期の上振れに見合う形で引き上げない状況を指す。 投資家にとって、これはしばしば警告サインとなる。高バリュエーションやモメンタム主導の市場では、今四半期の予想を上回ることは最低条件とみなされる。企業が通期見通しを引き上げなければ、現在の好調が将来の四半期から前倒しされた可能性があること、あるいは経営陣が近い将来の逆風を予想していることを示唆する。 その結果、「ビート・バット・ノー・レイズ」の決算発表直後に株価はしばしば下落する。市場が据え置かれた見通しを相対的な減速、経営陣の慎重姿勢の表れ、または今後のマクロ経済環境の悪化を示すシグナルと解釈するためだ。

XYZ社は第3四半期の1株当たり利益(EPS)が1.10ドルだったと発表し、アナリストのコンセンサス予想である1.00ドルを0.10ドル上回った。しかし経営陣は、第3四半期の好調を織り込んで通期EPSガイダンスを4.10ドルに引き上げるのではなく、4.00ドルのまま再確認した。第3四半期の好調な結果にもかかわらず、投資家が同社の第4四半期は弱含むとの見方を認識したため、株価は翌朝5%下落した。