成長マルチプル

P/EやEV/Salesなどのバリュエーション比率は、特に高成長企業をその予想成長率と比較して評価するために用いられます。

グロース・マルチプルは、平均を上回るペースで売上高、利益、キャッシュフローを拡大している企業の市場価格を評価するために用いられる財務バリュエーション指標です。高成長企業は事業運営に多額の再投資を行うことが多いため、純利益がごくわずかであったり、一時的に損失を計上したりする場合があります。その結果、過去実績ベースの株価収益率(PER)のような従来のバリュエーション指標は、EV/Sales、EV/EBITDA、予想PERなどのグロース・マルチプルに置き換えられることがよくあります。 こうしたマルチプルを観察・算出する際、投資家は企業の市場価値の指標(企業価値や株価など)を基礎となる財務指標(売上高や1株当たり利益など)で割ります。その際、今後12カ月の予想値を使うことが多くあります。この将来を見据えたアプローチにより、過去の実績だけに依存せず、事業の予想される推移を捉えやすくなります。 投資家がグロース・マルチプルを重視するのは、株価の割高なバリュエーションが企業の成長率によって正当化されるかどうかを判断する助けになるからです。高いグロース・マルチプルは、市場が同社の将来の財務業績に対して高い期待を抱いていることを示します。ただし、よくある落とし穴は、マルチプルを実際の成長率と比較しないことです。成長が減速すると、こうしたマルチプルは急速に収縮し、株主に大きな資本損失をもたらす可能性があります。

A社は、企業価値(EV)が$1,500,000,000、予想フォワード売上高が$100,000,000の急成長ソフトウェア企業です。そのEV/売上高成長倍率は、$1,500,000,000 / $100,000,000 = 15xと計算されます。